
貞七*如意輪観音
舟形光背半肉彫・75
駒ケ根市中割
名工伝 守屋貞治 守屋家石工三代百年の足跡*田中清文より
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(3)伊南の貞治仏50体
さていよいよここからが本題である。守屋貞治の石工仕事の原点である土地、石工巡歴で原点回帰する重要なる場所が、信州伊那谷の「伊南」(上伊那郡宮田村・駒ケ根市・飯島町・中川村)地域であったのであろう。 貞治仏の再度確認調査の結果、北の宮田村(一部西春近)で7体、駒ケ根市で36体、飯島町1体、中川村(一 部松川町瑞応寺)で6体の総計50体が確認されたのである。中には「石仏菩薩細工」には記載があるが現存ない「大日如来」(駒ヶ嶽ニ建、願主下モ町木綿屋)や、「不動明王」(片桐村願主竜泉寺)が、現地調査の結果、 寛政12年の庚申年に造立された「庚申」塔文字碑であったりと、貞治の記述間違いも調査により訂正されるに至ったのである。なお細工帳には記載がないが、貞治作に間違いない彫造作品として、善福寺本堂内安置の「地蔵尊坐像」と、松川町上片桐瑞応寺の「延命地蔵尊」がある。この他にも駒ケ根市にて3体、中川村田島にて1体の計6体の新発見石仏が追加され、総数50体となったのである。西国三十三観音などなく、単体数が最多となった伊那谷の「伊南」という地域は、貞治にとって石工仕事の上で特別な土地といえるのではなかろうか。『伊那路』の特集号のテーマは、当会で特に重要と考える後世に伝えたい「上伊那の自然・歴史・考古・民俗・地理・芸術・芸能・人物・古文書」です。

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