
貞治*准胝観世音菩薩
丸彫・55 ・文政年中
伊那市高遠町桂泉院
名工伝 守屋貞治 守屋家石工三代百年の足跡*田中清文より
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(7)伊南の貞治仏三つの疑問
貞治48歳の文化9年、貞治仏全作品の中間点ごろになると、地蔵尊のお顔の表現に変化が見られるようになってくる。従来の面長のお顔立ちである男性的な頭部の他に、丸顔で眉間が幅広の小型地蔵尊が新たに表出するようになる。前作が男性的なのに対し、後者は女性的であり、いわば尼僧の面立ちである。これらの違いに対して「貞治作ではなく、渋谷藤兵衛作である」と結論づける研究者もいるのであるが、筆者は双方ともに貞治作であると考えている。尼僧形状の地蔵様は、安置された寺が尼寺であったり、願主の要望が女性の墓石であったりした場合に編み出された作風であって、貞治の思惑が見て取れる。『伊那路』の特集号のテーマは、当会で特に重要と考える後世に伝えたい「上伊那の自然・歴史・考古・民俗・地理・芸術・芸能・人物・古文書」です。

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